八幡平にて

白銀の安比高原。

安比高原にはとあるサイトから取材依頼を受けて来ている。僕ではなくて証くんだが。なのでこちらは自分の仕事をしつつ、証くんの取材に同行という形になった。

眼前に広がる銀世界を見て改めて思う。本当に無事にたどり着けてよかった。レンタカーではなく、キャンピングカーのままだったら事故っていたかもしれない。雪国の坂をガリガリと走るバスやトラックのように運転できれば違っていたのかもしれないが、まだまだ僕達にはあのアイスバーンを走ってくるのは難しい。

ローギアに入れながらエンジンブレーキで減速しつつ、四時間かけて目的地へ。なんてあまりしたい経験ではないものな。苫小牧のひとたちはあのスケートリンクのような道路をよく走っていたもんだと改めて思った。雪の上をしばらく歩いているとコツを掴めるように、運転もコツを掴めるものなのだろうか。何回も何回も転んだりしながらってわけにはいかないだろうが。

アホみたいに運転に気遣った分、証くんに仕事を依頼したクライアントさんが用意してくださった宿で、かなり快適に過ごすことができた。自由にお風呂に入ることができて、PCやスマホの充電も満足にできる、そしてなによりあたたかいお布団があるという状況。キャンピングカーがないだけに少し寂しい気もするが、普通に過ごすことができるというありがたみを再認識するという結果になった。まだ二三日しかキャンピングカーで過ごしていないというのに。

証くんの依頼された取材の為に八幡平の街へ繰り出す。「北海道倶楽部」さんで、北海道名物のカツスパ。カリカリのカツのボリュームもさることながら、スパゲティがものすごく美味い。

八幡平の名物を食べるべきだったのだろうが、このあたりは野菜や肉に関してはいろんな地域ブランドがあるが、それを使った地域料理としては名物がないという話であった。それで北海道名物に落ち着いた形となったのだが、カツスパなんてもの北海道にあったっけ? とこれを書いている今、考えている。北海道はそこらじゅうの地域に名物料理があり、道民すらその全部を把握できているかも怪しい感じなので、僕が知らなかっただけなのかもしれない。しばし、ラーサラやザンギに思いを馳せる。

外の水道は凍ってしまうので、オートヒーターがついている。これは東北ならでは。もっと寒くなると外に水道管すら出せなくなるのだが。北海道にスプリンクラーがないのと同じことなのだろう。

この辺りの地形は、岩手山の噴火で溶岩が作り上げた絶景「焼走り」が有名とのこと。かの宮沢賢治が「強力な鬼神たちの棲みか」と表した。

せっかく連れてきていただいたのだが、全て雪の下にうもれてしまっている。それでもどこまでも広がる雪原は絶景だった。


via:生好 有怒苦 http://41finerain02.seesaa.net/article/397734614.html

ちなみに雪が積もってなければこんな感じらしい。確かに鬼神の棲みかだ。

帰りはレンタカーで一ノ関花泉の借りたお店に帰る。雪はほとんどなく、粉雪で視界が悪くこともなく快適に帰っていく。

昨日はこのニコニコレンタカー一ノ関花泉店のお兄さんに缶コーヒーを手渡され、非常にあたたかい想いに包まれたが、今度は店長さんが店におり、僕達をわざわざ近くの駅まで送ってくれたのであった。寒い中歩かなくて済んだことに感謝し、またも東北の人たちの親切に染み入る。

そういえば、一昨日、山の中で車が立往生した時に、ロードサービスを呼んだ際、電話の向こうのオペレーターさんは「車は運べるけど、人は運べないので(工場まで)自分で来てください」と言っていたのだった。雪山の中、道路に身一つで放り出されて、何十キロも離れた工場へいけという。これは非常に心細い想いをした。

しかし、途方に暮れてたら、結局来て暮れたレッカー車のおじさんが、工場まで載せてくれたのであった。ルールとしてはしてはならないことなのにも関わらず、だ。

親切のためにルールを曲げてでも暖かくしてくれる東北の人たちにずいぶん助けられていると思う旅路であった。

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